安藤サクラ「10代で訪れた宮古島での思い出が、ロケ地の慶良間諸島でつながった」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、映画『島々清しゃ』が間もなく公開される安藤サクラさん。薦めてくれたのは『花鳥風月の科学』(松岡正剛)。日本人の心がどこから生まれ育ってきたかを教えてくれる一冊だ。感覚的なものを大事にしている安藤さんが、本と映画の撮影現場から感じたものを語ってもらった。 『花鳥風月の科学』は日本文化を学術的に解説していく文化論だ。そういうと、やや難しそうに聞こえるかもしれないが、たとえば「山に畏怖心を抱くのはなぜか とか、「風がなにかを“連れてくる”ような気がしてしまうのはなぜか」とか、日常で無意識に抱いている感情や感覚の理由をわかりやすく紐解いてくれる。 「自分がもどかしく感じていた曖昧な部分がきちんと言葉になっていて、とても心地がよかったです。読んでいて楽しくてしかたがなかった。ときどき、科学的すぎて難しいところもあるけれど、そこはじっと考えてみたり読み飛ばしてみたり、いろいろです(笑)。なるほどと思うものもあれば、わからないも…