「MGC」は長距離関係者のマインドセットを変えた。青学・原監督流リーダーシップ論/改革する思考
箱根駅伝2022では、歴史的な快勝で6度目の総合優勝を果たすなど、陸上競技の指導者として数々の偉業を成し遂げてきた青山学院大学の原晋監督。『改革する思考』(原晋/KADOKAWA)では、同氏が異端児と言われながらも貫き通してきたリーダーシップ論を語る。ポストコロナの時代に求められるものとは。 ※本稿は原晋:著の書籍『改革する思考』から一部抜粋・編集しました 『改革する思考』(原晋/KADOKAWA) MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)はなにを変えたのか? 日本陸連のマラソン強化プロジェクト「マラソングランドチャンピオンシップ・シリーズ」、みなさんが「MGC」と呼んだ東京オリンピックへ向けた代表争いの仕組みは、素晴らしいケーススタディとなりました。 これまでの選手選考では、選考レースにピークを合わせた、言葉は悪いけれども「一発屋」がオリンピックに派遣され、結果として世界と対等には勝負ができなかった。そこで日本陸連は、複数回、きちんと調子を合わせられることを証明できる「調整能力」と、世界に対抗できる「スピード」を求めました。 そこで、2017年から男子で言えば福岡国際、別府大分…