小池徹平さんが選んだ1冊は?「バトルのなかにある深い人間ドラマ 虚構と現実をたゆたう距離感が絶妙」
毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、小池徹平さん。 (取材・文=河村道子写真=TOWA) 少年マンガから青年マンガまで、小池さんのコミック守備範囲は広い。 「なかでもジャンプ系が好きなのですが、カッコいいバトルマンガでありながら、グロテスクさも艶っぽさも含む『GANTZ』は、自分のなかの子ども心と大人心を同時にくすぐってくれる。死んだはずの人間たちが正体不明の宇宙人と戦うミッションを与えられるというSF的設定のなか、“ひょっとしたら?”と思ってしまうような現実との距離感も絶妙で。つい身近さを感じてしまうのは、主人公・玄野の“普通さ”が為せる技なのかなとも思います」 黒い球・GANTZがいる部屋に転送されるまで、玄野計はちょっと無気力な普通の高校生だった。そんな玄野の成長物語でもある本作のなかで、ひときわ印象に残ったのが「オニ星人編」だという。 「仲間みんなが生き残るためにはどうすればいいか、必死に考え、チームワークをつくっていく玄野ですが、オニ星人編はリーダーとしての彼…