半田健人が選んだ1冊は?「高度成長期の日本人が精一杯作った、その健気さが愛おしくなります」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2024年3月号からの転載になります。 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、半田健人さん。 (取材・文=松井美緒写真=TOWA) 「僕の人生を変えた一冊です」 音楽、とくに昭和歌謡に造詣が深い半田さんは、『60年代ビザール・ギターズ』についてこう語る。 「ビザール・ギターという名前を生んだのが、このムックです。僕もこれを読んで、こんなにデザイン性の高い様々なバリエーションの日本製ギターが存在したんだと知りました。絶対欲しい!と思いましたね」 ネットオークションなどで集め、一時は100本以上も所有していた。 「メイドイン・ジャパンの魅力に惹かれました。当時の日本のメーカーは、エレキギターがどう作られているか知らなかった。だから常識からすると、間違った構造になっていたりします。でも、それが逆にアメリカなどの一流メーカーにはない、オリジナルなサウンドを生んでいます」 工芸品のようにも感じるという。 「高度成長期の日本人が精一杯作った、その健気さ…