門脇麦さんが選んだ1冊は?「本当につらい時は誰かに頼ってもいい。そう考えられることがひと筋の光」
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年10月号からの転載になります。 毎月3人の旬な有名人ゲストがこだわりのある一冊を選んで紹介する、ダ・ヴィンチ本誌の巻頭人気連載『あの人と本の話』。今回登場してくれたのは、門脇麦さん。 (取材・文=齋藤春子写真=TOWA) 小学校から高校まで「むさぼるように本を読んでいた」と語る門脇麦さん。 「ずっと本を読んできたことは、今の仕事にも役立っています。作家さんの文才の深みを読んで吸収したことで、たくさんの言葉が自分の血肉になったというか。結局、自分の血肉になっている言葉しか発した時にも真実味を帯びないと思っています」 西加奈子作品は「ほぼすべて読んでいます」というほど長年のファン。 「西さんの本は、登場人物のごく私的な内容が書かれているのに、話が太くて、本の中の世界が広い。人生の熱量を感じられて、エッジも効いてる、絶妙なバランスが好きです」 『夜が明ける』は2021年に5年ぶりの長編として刊行された作品。 「世の中には『しょうがないよな』ってことがいっぱいあるじゃないですか。でもその『しょうがない』がどんどん積もると、やがて自分のキ…