世界的流行「こんまり流片づけ術」が今度は海外のお葬式を変えていく!?
『世界のすごいお葬式』(ケイトリン・ドーティ:著、池田真紀子:訳/新潮社) 2010年代はじめに「終活」や「エンディングノート」という言葉が流行語大賞にノミネートされ、いまやこれらが「エンディング産業」と括られるほど、死後の「見せ方」に工夫を凝らすことは一般的になった。『世界のすごいお葬式』(ケイトリン・ドーティ:著、池田真紀子:訳/新潮社)は、故人や遺族の希望に沿った葬儀を実現する会社・アンダーテイキングLAを設立したというアメリカ人の著者が、世界各国を旅して見てきた葬送墓制をベースに、変わりゆく現代人の死生観を描く1冊だ。 ■自分が死んだらどうしてもらいたい? 考え直すきっかけに 本書の特徴は、「この国にはこんな儀式がある」と雑学的に各国の葬儀や墓制を紹介していくのではなく、アメリカのいくつかの場所や、インドネシア・メキシコ・スペイン・日本・ボリビアを旅する紀行文の中で、各地の古来の慣習や価値観について描写していく点にある。「葬儀ディレクター」という資格を有する著者は、自社を設立する前にもいくつかの葬儀社で働きながら、商業的・高額・画一的なアメリカの葬儀…