EXIT兼近大樹「小説を書くために芸人になった。一貫性のない文章は、人間が『そう』だから」初小説『むき出し』インタビュー
お笑いコンビ・EXITの兼近大樹さんの初小説『むき出し』が発売されて数週間後のインタビュー。兼近さんは「発売直後より、感想が届き始めた今のほうが興奮しています!」と嬉しそうに笑う。 (取材・文=門倉紫麻撮影=依田純子) 「チャラ男の芸人なのでファンの人だけが読んでくれるのかなと思ったんですが、そうじゃない人の感想もあって。『兼近ならこういう文章を書くだろう』『想像通りだった』っていう感想が結構多いんですよ。嬉しいですが、俺的には自分の殻を破ったつもりだったので、びっくりさせられなかったのは悔しい(笑)」 『むき出し』は、お笑い芸人・石山の幼少期から現在までの波乱に満ちた人生を追う物語。兼近さんは、石山本人だけでなく出会う人々、その時代ごとの空気そのものもすくいとるように活写していく。作者としての視点はどこに置いていたのだろう。 「わー! その質問、作家さんがされているのを見たことがあります。嬉しいな、答えられるの(笑)。多分、シーンによって違いますね。子供の頃を書く時は、石山に入っています。子供は俯瞰というものを知らないので、文章も俺が俯瞰で書いちゃだめ…