押井守「難物だけどこれはやる価値があると思いました」『火狩りの王』アニメ化記念! 西村純二×日向理恵子×押井守鼎談
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年2月号からの転載になります。 人類最終戦争後、人間は火に近づくと体が燃え上がる病に冒されていた――。日向理恵子さんの長編ファンタジー小説「火狩りの王」シリーズ(ほるぷ出版)がアニメに! WOWOWにて、1月14日より放送・配信が開始される。監督の西村純二さん、構成・脚本を手掛ける押井守さんとの鼎談で、アニメならではの魅力を解き明かしていていこう。 取材・文=野本由起撮影=冨永智子 日向:おふたりのような雲の上の存在にアニメ化していただいて、とても光栄です。映像化は企画から実現までのハードルがとても高いと伺っていたので、自分の作品がアニメになるなんて今でも夢のようです。 押井:今は、実写作品もアニメもほぼ小説やマンガが原作なんですよね。オリジナルなんて数えるほどで、プロデューサーは原作を探して権利を取ることに躍起になっている。だから、作家さんからすると「話は来るけどなかなか実現しない」ってことになるんですよね。特にファンタジーは、ハードルが高いんですよ。しかも、日向先生の作品はエンターテインメントっていうより文芸だからね。正直…