京都人は滋賀県民を「ゲジゲジ」と揶揄? 大阪をちょっと下に見ている?『翔んで埼玉』ザ・ワールドのつくり方<監督とファンに聞いてみた>
※本記事は、雑誌『ダ・ヴィンチ』2023年12月号からの転載になります。 バカバカしさに徹した世界観や細部にまでこだわりの詰まった美術セット。こだわりを持って『翔んで埼玉』ワールドをつくりあげる、お2人に話を聞いた。 (取材・文=野本由起) <武内英樹監督インタビュー> 入念な取材と世界観の作り込みがもたらす“謎の感動” このシリーズは、とにかく謎の感動を与えたいと思って制作しています。こんなにくだらない設定とストーリーなのに、理由はわからないけどなぜか感動する。ひどい言葉でさんざんディスられたのに、観終える頃には郷土愛が芽生えている。そんな仕組みを作るには、深い取材が欠かせません。 今回は2年近くかけて、現地のフィルムコミッショナーから居酒屋で会った人まであらゆる人たちに話を聞き、「ここまではネタにして大丈夫」「これはシャレにならない」と線引きしたうえで脚本に落とし込みました。そこまで徹底してリサーチしないと、表層的な笑いになってしまいますから。 関西各県について徹底的にリサーチした監督。 そんな中で着目したのが、滋賀県民に愛される交通安全の人型看板「とびだしと…